所得税法157条の規定の趣旨、内容からすれば、株主又は社員から同族会社に対する金銭の無利息貸付けに本件規定の適用があるかどうかについては、当該貸付けの目的、金額、期間等の融資条件、無利息としたことの理由等を踏まえた個別、具体的な事案に即した検討を要するものというべきである。そして、本件事実関係等によれば、本件貸付けは、3,455億円を超える多額の金員を無利息、無期限、無担保で貸付けるものであり、Xがその経営責任を果たすためにこれを実行したなどの事実も認め難いのであるから、不合理、不自然な経済的活動であるというほかはない。当時明らかにされていた解説書の内容とは事案を異にするものであるし、当時の裁判例等に照らせば、Xの顧問税理士等の税務担当者においても、本件貸付けに本件規定が適用される可能性があることを疑ってしかるべきであったということができる。当該貸付けに係る利息相当分の利益が更正前の税額の計算の基礎とされていなかったことについて、国税通則法65条4項にいう正当な理由があったとは認めることができない。
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