岩瀬公認会計士事務所  岩瀬哲正税理士事務所

ショート・ショート 目次 Index


ショート・ショート

200703  逓増定期生命保険。生保各社が相次いで販売見合わせ

 生命保険大手各社が相次いで「逓増定期保険」の販売を見合わせる方針であることが報道されています。日本生命、第一生命、住友生命、明治安田生命、大同生命が既に同保険の販売を当面停止することを決めており、各社のホームページでは同保険の情報ページにアクセスできなくなっています。また、その他の生命保険会社もこれに追随する見込みだそうです。

 逓増定期保険とは、保険料が一定のまま保険金が増えていく仕組みの定期型死亡・高度障害保険で、加齢とともに増加していく経営リスクに対応するための保険として、中小企業経営者に加入者が多いのが特長です。さらに、掛け捨て保険のため満期時の返戻金はありませんが、途中解約の場合は支払った保険料の60%〜90%の返戻金が戻ってくるので、万一の場合の事業保証金や急な役員退職金の準備金としても利用できます。

 ただ、この逓増定期保険が中小企業経営者に人気なのは、一定の条件を満たしていれば支払った保険料が全額損金にできるなど税務上のメリットが大きいからです。利益が出た(出ることが予想される)年にこの保険に入っておけば、その保険料を全額損金にすることで節税ができ、さらに将来資金まで確保できるのですから非常に利用メリットが高いわけです。

 ところが、この税務上のメリットに国税庁のメスが入りそうなのです。というのも、国税庁から各生命保険会社等に「法人契約の逓増定期保険の税務上の取扱いについて見直しを検討している」旨の連絡があったことが様々な情報として伝えられています。

 もちろん、この「検討」とは、保険料を全額損金算入できる現行の仕組みの変更についてのものです。同保険加入者の多くが税務上のメリットを目的に同保険を利用していることを国税庁が問題視しているということでしょう。

 今回の生命保険大手各社の対応はこの国税庁の連絡を受けたものです。ただし、あくまでも検討段階であることから、「当面=事実関係が明確になるまで」の措置ということで、前述の通り同保険については加入者(商談中含む)も多いことから、当面のトラブルを避けるための措置のようです。



具体的な事案への適用に際しては、必ず専門家等にご相談の上ご活用ください。

ショート・ショート 目次   Index

岩瀬会計事務所 神戸市中央区北長狭通5-2-19 コフィオ神戸元町508