江戸時代には、適当な後継者に恵まれずに家業が途絶えてしまう商家が珍しくなかったので、円滑な事業承継が現代と同様に重要なテーマだったようです。江戸時代の優れた商家では、お店が何代にもわたって継続できるように、優秀な後継者を育てる智恵を考え出しました。
−「丁稚奉公」制度で優秀な後継者を育成−
江戸時代の商家では、身元がしっかりしている10〜12歳の丁稚小僧(見習い社員)を採用し、住み込みで教育して優秀な後継者候補を育てていました。
例えば、礼儀作法から読み書きそろばん、接客応対などを教えるだけでなく、近江商人の外村与左衛門家などでは「正直は人の道である」と、商売における心構えからしっかり教えていました。
教育は主に当主の妻が行っており、子弟や後継者を育成するというその役割はとても重要で、表には出なくても、人事・教育面の事業パートナーとしての役割をはたしていたようです。
こうして教育を受けた丁稚は、順調にいけば18歳頃に手代(正社員)、優秀なものは30代半ばで番頭(取締役)と出世していき、最終的にはのれん分け(同じ屋号での独立開店)を許されたのです。
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